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 大穴だったチッチ 




紅一点のチッチは、下僕に手間を取らせることもないとても、おとなしくて、心優しい女の子です。

そんなチッチが、2〜3ヶ月ほど前から、時おり「ンゲェ ンゲェ」と言うような吐く時に出すような変な鳴き声を出すようになり、段々その回数が頻繁になってきていて心配していました。

しかし、この辺に引越しをしてきてから、行ったことのある動物病院は、前回くろじが戦った病院だけで、どうしてもその時の不信感をぬぐえない下僕は、動物病院に連れて行きたくないという感情のほうが優先されてしまっていました。

幸いな事に、チッチの症状もその変な鳴き声のみで、食欲もあり、オシッコもウンチもちゃんとしていて、緊急を要するような感じではなかったのです。

「もう少し様子をみてから」「チッチは普段、毛玉を吐かないから、毛玉を吐きたくてもでないだけかもしれない」など、自分の中で言い訳を続け、先延ばしにしていたのです。

しかし、くろじが再び病院へ行くことになり、(詳しくはこちらです 「くろじ 再び病院へ行くの巻き 前編 後編 」)
くろじを診察してくださった獣医さんに安心感が持てた下僕は、以前より気になっていたチッチも診察していただくことにしました。

緊張のくろじの1日目の診察が無事に済み、翌日、再診のくろじと共にチッチを連れて行きました。

今回は、あのでしゃばりなおばさんも、なりを潜め、親切な受付の方に症状を説明しただけですみ安心のスタートでした。

下僕は、くろじとチッチをいれたキャリーバックを2つかかえて、診察室に入り、まずは難関と思われていたくろじの診察を済ませました。

くろじの噛み付く癖はくどいほど説明してたので、チッチの性格を聞かれたときは、「全然くろじと違っておとなしくて優しいいい子です」と胸を張って自慢気に話していた下僕は、その時のチッチの表情の変化に全く気がつきませんでした。

ひと通りの問診をおえ、再び下僕は、待合室へ、チッチと獣医さんは奥の検査室へと消えていきました。

診察をおえたくろじと待合室で安心しきっていた下僕の耳に聞こえてきたのは「ンッギャー」という断末魔のようなチッチの鳴き声!

まさか、あのおとなしいチッチがそんな声を上げるなんて。

意表をつかれた下僕は、取り乱し、「えっ、今の叫び声は本当にチッチ?あっちの診察室は犬だったし・・・、やっぱりどう考えてもチッチしかいない」ということに納得するまでにややしばらくかかりました。

その時、やっと下僕は思い出したのです。

チッチは、前の飼い主さんに避妊手術に連れて行かれたが、術後の様子がおかしく、不信に思った前飼い主が某テレビ局などで活躍していた獣医師の元へ連れて行ってみると、「1件目の病院での避妊手術は見事な失敗で、再手術しても命が助かるか保証はできない」と言われたが、奇跡的に生きながらえることができたという経験の持ち主だったのだ。

下僕の元にやってきてからは、元気で全く手のかからない優しい子だったし、くろじの事で頭がいっぱいだったから、重大なことを忘れていた・・・。

きっと、チッチには動物病院は、死ぬほど怖い存在だったのだろう。

小さな頃の恐怖が蘇ってもおかしくない経験をしているのだ。

ごめんね。チッチ。下僕が迂闊だったよ。

再び診察室に呼ばれた下僕が見たものは、さっきまでされていなかったチッチの首に、しっかりとエリザベスカーラーが巻かれていたのだ。

「チッチは噛み付きましたか?」という下僕の問いかけに、「いえ、ちょっとレントゲンを取るときに鳴いただけです」と淡々と答えてくれた獣医さんを「たぶん、冷静に対処してくれたんだろう」と感謝の気持ちで下僕は見つめました。

「説明するのを忘れていたんですけど、実はチッチは前飼い主の元・・・」と今更ながらの説明をする下僕に、獣医さんは「以外と怖かった記憶は忘れないものですからねぇ」と頷いてくださりました。

検査の結果、チッチの肺は肺炎ほどではないが、軽く全体に炎症を起していて、原因が心臓からきているのか、他に原因があるのかは分からないとのこと。

とりあえず、離尿作用のある注射と咳止めの注射をしてもらい、咳止めのシロップ状のお薬を頂きました。

その後、咳も収まり一安心。

−教訓−
猫の経験も猫それぞれ。普段おとなしいからと言って、それがすべてではないのだ。それぞれの経験を充分に考慮して、配慮してやらねば、飼い主として下僕は失格だ・・・。
     



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