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 我が家の くろじ 


ちゃんす・チッチ・くろじ



  くろじ病院へ行く Part2 




 くろじよりも緊張している下僕が選んだ病院は、個人ながら、夫婦でやっていて獣
 医師が2名と表示されている病院でした。

 下僕的に、獣医師2名いれば、どちらかが誤診したとしても、どちらかから指摘され
 たり、気づいてくれたりするかも知れないと思ったからなのです。

 緊張の朝は、まず、くろじのキャリーケースをくろじの見えないところへ用意することか
 ら始まりました。

 警戒していないくろじを抱きかかえ、キャリーケースへ押し込む作戦です。

 引越が何度かあり、キャリーケースに入れられる意味を知ったくろじは、キャリーケー
 スに入れられる事に抵抗するようになってしまっていたからです。

 機嫌よく抱きかかえられたくろじは、キャリーケースを見て、慌てて全身の力を込め
 て抵抗しようとします。

 抵抗するくろじをキャリーケースに押し込み、キャリーケースごと車にに積み込み「大
 丈夫だからね。オシッコがでるように治してもらいに行こうね。くろじ」と、必死にくろじ
 に呼びかけるも、くろじはすでに警戒体勢。

 神様、お願いです。くろじが大人しく診療を受けられますように。

 心の中で必死にお祈りするも、普段は、無神論者の下僕の頼みなど、聞いてくれ
 るはずもありませんでした・・・。

 受付にいたのは、30代前半か20代後半にみえる女性でした。受付を済ませ、くろ
 じの状態を説明。

 幸運な事に待合室には、朝一番だったこともあり、まだ誰もいませんでした。

 受付をしてくれた女性がキャリーケースの中のくろじを覗き込み「あら〜大きい猫ちゃ
 んですねぇ」などと、言いながら、「診療の準備ができたらお呼びします」と奥に入って
 行きました。

 呼ばれる間、必死にくろじに「痛い痛い、治してもらうだけだから大丈夫だからね」と
 無駄な訴えをしていたのですが・・・。

 「くろじちゃん、中へお入りください」と声をかけられ、診療室に入ったら、そこには、
 先ほど受け付けをしてくれた女性が!

 一瞬 「えっ!この人が獣医だったの?こんな若い獣医で大丈夫かな?」と不安が
 よぎったのを覚えています。

 「じゃ、くろじちゃんをかごから出してもらえますか」とのおおせに、緊張気味のくろじを
 診療台の上に引っ張り出すも、体を硬くして目をギラギラさせています。

 内心、「お願い、手早く診療して早くかごの中にかえしてあげて」と思いつつ、「体重
 を量ります」と獣医さんはいたってマイペースです。

 くろじを診療台の上にのせたまま、「うわっ 7.6sもありますね。太りすぎですネェ。
 少しダイエットを考えなくちゃね。」などと、くろじの背後から獣医さんは、大きな声で
 会話するのです。

 知らないところで、知らない人の大きな声が背後からするだけで、くろじの緊張はピー
 クになりつつあるのに、獣医さんは、気にもとめてくれません。

 病状は先ほど説明してあるので、ある程度予測はついているらしいのですが、「キャ
 ツトフード市販ですか?できれば変えたほうがいいですね」と、のんびりと大きな響き
 渡る声で会話をする度に、くろじは、くろじの体を抑えている下僕の手から、逃げ
 て、どこかに身を隠すそうと、力いっぱい抵抗してきます。

 気を持ち直し、再度、くろじの性格、特に噛み付く癖が、それも本気で噛み付く癖
 があることを強調しながら、獣医さんの質問に答えていたのですが・・・。

 「膀胱にオシッコが溜まっていないか触診しますね。それと念のためエコーで見てみま
 しょう。」と獣医さんが手を伸ばすたび、くろじは目を白黒させながらキッと横目で獣
 医さんを睨みます。

 下僕は、獣医さんにくろじが噛み付くのではないかと気が気ではありません。

 獣医さん曰く、「膀胱にはオシッコは溜まっていないから、一安心」との事。

 「膀胱炎か、尿道炎か尿道結石か検査してみましょう。とりあえず今日は、お注射
 2本と、点滴、飲み薬をお出ししますから明日もう一度きてください。」との事でし
 た。

 この間、30分位、診療台の上のくろじの緊張が高まってくるのを感じながら、早く治
 療を済まてほしいと思っていた下僕は、一安心でしたが、ホッとしたのもつかの間でし
 た。

 「じゃ、お注射と点滴の準備をしますので」と奥から持ってきたのは、「えっそれ、人間
 用?」と聞きたくなるようなものでした。

 そう、人間に点滴するのと全く同じ点滴液のサイズ。

 おもわず、「それ全部点滴するんですか?」と聞いてしまいました。

 「この中の100ccだけですよ。時間で10分〜15分くらいですね。」

 「えっ、じゃその点滴は、色々な猫に使いまわされているってこと?針はちゃんと換え
 てくれてるのかな。点滴したとき逆流していて病気がうつったりしないかな」と下僕は
 不安に。

 もっと不安なのは、点滴をどうやってくろじにするんだろ?

 全身麻酔でもして眠らせている間にするのかなぁ。

 などと考えていた下僕は浅はかな大馬鹿者でした。


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