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オイラは2001年の春も遅い、夏がもうそこまできている頃に生まれた。
オイラの母ちゃんは、ガリガリで、お乳も満足に出ないから、オイラの兄弟は、次々に死んでいった。
皆、母ちゃんにうりふたつの小さな命だったけど、その頃のオイラは、自分の飲むお乳を確保するので精一杯だった。
母ちゃんは、生き残ったオイラと兄ちゃんをボロボロになりながら育ててくれたヨ |
オイラは、兄ちゃんと母ちゃんの後をいつもついて歩いてた。
母ちゃんは、よそ見をして、遅れてばかりのオイラ達をいつも優しく待っていてくれた。
腹いっぱいは、食べられなくていつも腹が空いていたけど、優しい母ちゃんと兄ちゃんに可愛がられて幸せな日々だったヨ
運が良いときゃ、人間の子供におやつを分けて貰えたし。

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寒い夜は、母ちゃんが見つけてくれた寝床で皆で重なり合って、暖め合うんだ。
寝る前には、オイラが寝付くまで、母ちゃんが優しく毛づくろいしてくれるんだ。
だからオイラも母ちゃんや兄ちゃんの毛づくろいを一生懸命したんだ。
家族で見上げた星空をオイラ今でも覚えているよ。 |
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オイラ達二匹は、母ちゃんにそっくりで、近所でも評判だったのさ。
子供達と遊んでいる時、母ちゃんは、影でじっと見守ってくれていたし、その頃は、何も怖いものなんかなかったから、母ちゃんが隠れている意味がよく判らなかった。
ただ、母ちゃんは、気をつけなさいって言うんだ、でもオイラ人間の子供にだって負けなんかしないよって言い返してた。
幸せだったんだよ。オイラ。 |
オイラ達は、腹いっぱい食べられなかったし、体が小さくて、いつも寒くて丸まっていたから、他の奴らより成長が悪かった。
そんな時に、事件は起こったのさ。
オイラ、一晩中泣いて鳴いてボロボロになっちまった。
オイラの骨は、生まれつきの栄養不足と遺伝で簡単に折れてしまうんだ。
兄ちゃんとふざけていた拍子に、オイラの足の骨は、折れてしまったんだ・・・。
そんな、オイラも最初のうちは、母ちゃんや兄ちゃんに遅れないように一生懸命我慢して歩いてたけど、だんだん歩けなくなって、母ちゃんがオイラを悲しそうな目で見るんだ。
オイラ意味が理解できなかった。
母ちゃんは、倉庫と倉庫の間の人間が通れないような狭い隙間までオイラを歩かせて、そこで休んだんだ。
今日はここで寝るのかと思って痛みをこらえて母ちゃんに寄り添って、うとうとしてたら、
突然母ちゃんは兄ちゃんを起こした。

オイラ、もうその時は、折れた足が腫れて歩けなかった。母ちゃんは、兄ちゃんを促して、オイラを見捨てて歩き出したんだ。。。。。。
これが、野良の厳しい掟だったんだ。
母ちゃんや兄ちゃんが見えなくなるまでオイラ鳴き続けたヨ。でも、振り向いて戻ってきてはくれなかった。
母ちゃんや兄ちゃんを見たのは、これが最後だった。
そのまま、オイラは1人でこのまま死ぬのかと生まれて初めて孤独と恐怖を味わっていたんだ。
その時、気づいたんだけど、倉庫の人間が朝になって出勤してきたんだよ。母ちゃんはオイラを見殺しにしたんじゃなくて、人間に拾われるようにこんな場所に置いてけぼりにしたんだって。
だからオイラ一生懸命、命の限りの声出して、出勤してきた人間に助けを求めたんだ。
そいつらは、オイラを隙間から抱き上げて、事務所に連れて行ってくれた。なんとかオイラ命拾いをしたって訳だけど、これからオイラはどうなるのか想像もつかなかった。
でも、今まで食べた事もないようなごちそうと、おいしいミルクを腹いっぱい食べさせてくれたんだ。だからオイラは、お礼にちゃんと用意してくれたトイレでオシッコをしてやる事にした。
そこで働いていたのが、今の飯係って訳さ。不満はあるけど、我慢してるヨ

オイラの兄ちゃんは、その後車に轢かれて死んだらしい。
母ちゃんは、高校生ぐらいの数人にいじめられているのを目撃されて以来、姿を見せなくなったらしい。
運命は不思議なもので、オイラは元気に生きて、母ちゃんや兄ちゃんより、多分、今は体も大きくなった。
オイラに、そっくりの白黒のカギ猫がいたら、それはオイラの母ちゃんか、兄弟かもしれないヨ。
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